お墓の「追加彫り」費用はどれくらい?内容別の相場と費用を抑えるポイント


業界経験この道30年の石職人です。今回は、お墓の「追加彫り」費用はどれくらい?内容別の相場と費用を抑えるポイントについて簡単に説明します。
お墓に戒名や法名を追加で彫刻する「追加彫り(読み方:ついかぼり)」または「戒名彫り(かいみょうぼり)」は、多くの方が必要とする作業です。
この記事では、お墓の追加にかかる費用の相場、コンテンツ別の価格、そして追加彫りの費用を抑える方法について解説します。
1.お墓の「追加彫り」とは?なぜ必要か

お墓の「追加彫り」とは、既に建てられている墓石に、新たに故人の名前や命日を刻むことです。
家族の一員が亡くなった際や、戒名や法名、法号、諡など故人の名前を刻む必要が生じた場合に行われます。
この作業は、後世に故人の名前を残すために重要であり、また先祖供養の一環としても欠かせません。
地域や石材店によって「戒名彫り」「法名彫り」「字彫り」「名前彫り」などの呼び名があります。
2.お墓の追加彫りの費用相場
お墓の追加彫りの費用は、一般的に3万円~10万円程度が目安です。
ただし、地域や石材店の料金体系によって異なる場合があるため、事前に複数の業者から見積もりを取ることが大切です。
- シンプルな文字彫り:3万円~5万5千円
- デザインや複雑な彫り:5万円~10万円以上
費用は刻む文字の数や大きさ、デザインの複雑さ、お墓の場所がどこにあるか(車両が入れない山の中にあるなど)、お墓のどこに刻むか、工場に運んで彫るか現場で彫るかによっても大きく変わります。
3.追加彫りの内容別費用
追加彫りの費用は、彫刻する内容や形式に応じて異なります。
以下は一般的な彫刻内容とその費用目安です。
- 戒名や法名を追加彫り:
戒名や法名、法号は仏教の伝統に基づいて、故人に授けられる名前です。神道では諡(おくりな)や贈名、諡号(しごう)、霊号(れいごう)と呼ばれています。
その他、命日や享年、生前のお名前などを彫り入れます。
これを墓石に彫る場合、3万円~7万円程度が相場となります。 - 命日彫り:
命日(没年月日)を彫る場合は、比較的シンプルな作業となるため、費用は2万円~4万円程度です。 - 追加の家族名:
家族名や続柄を追加する場合、一般的には2万円~5万円程度がかかります。
4.追加彫りの費用に影響する要因

追加彫りの費用は、以下のような要因によって異なります。
- 彫刻する場所:
墓石の前面か側面かによって、作業の難易度が変わります。
前面に彫る場合や特殊な位置に彫る場合、費用が増加することがあります。 - 石材の種類:
硬い石材ほど彫刻が難しくなるため、作業時間が長くなり、結果として費用が高くなる傾向があります。 - 文字数やデザインの複雑さ:
彫る文字数が多ければ、その分作業に時間がかかり、費用も上がります。
また、装飾的なデザインを含める場合は、さらに費用がかかることがあります。 - 石材を工場に運んで彫るか、現場で彫るか:
石を工場に運んで彫る場合は、人力で運ぶか、運搬車や小型クレーン等の機械が必要になり高額になります。
また、竿石を移動する場合は僧侶による閉眼供養と開眼供養を行うため、お布施の用意もしなければなりません。
その点、「現場彫り」ではお墓でその場で彫刻作業ができるので費用を抑えることができます。
5.追加彫りの費用を抑える方法
追加彫りの費用を抑えるための方法として、以下のポイントに注意してください。
- 複数の石材店から見積もりを取る:
石材店によって料金設定は異なるため、複数の業者から見積もりを取り比較することが重要です。 - 簡素なデザインを選ぶ:
シンプルな文字彫りにすることで、費用を抑えることが可能です。
装飾を減らすだけでも、コストダウンが期待できます。 - 一度にまとめて彫る:
複数の追加彫りが必要な場合、1回の作業でまとめて彫刻を依頼することで、費用が割安になることがあります。 - 「現場彫り」ができるかどうか確認する:
石材を運搬する手間がかからない分、安価で費用を抑えることができます。
6.追加彫りを依頼する際のポイント
お墓の追加彫りは、故人を供養するための重要な作業ですが、費用もかかるため、事前にしっかりと計画を立てることが大切です。
また、葬儀代に追加彫りの代金も含まれているケースがありますが、数ある項目の中に紛れて高額な場合があります。単価や詳細を確認することが大切です。
「現場彫り」ができるどうかの確認もしましょう。墓石を運ぶ手間も無く、一人でも作業ができるため安価でできる場合があります。
複数の業者から見積もりを取り、適切なタイミングで依頼することで、コストを抑えながら満足のいく彫刻が可能になります。