墓じまいの費用を安く抑えるには?費用を抑えるための5つポイントと注意点


業界経験この道30年の石職人です。今回は「墓じまいの費用を安く抑えるには?費用を抑えるためのポイントと注意点」を分かりやすく説明します。
近年、少子高齢化やライフスタイルの変化により「墓じまい」を選択する方が増えています。
しかし、墓じまいには意外と多くの費用がかかるため、できるだけコストを抑えたいと考える方も少なくありません。
本記事では、墓じまいの費用相場を解説し、安く抑えるための具体的なポイントを紹介します。
1.墓じまいの費用相場はどのくらい?
墓じまいにかかる費用は、墓地の立地や墓石の大きさ、業者によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
- 墓石の撤去費用:
10万~50万円(墓地の敷地サイズや、石材の量、作業場の難易度により計算されます) - 遺骨の改葬費用:
3万~50万円(永代供養墓への納骨など) - 行政手続き費用:
0円~数千円(改葬許可申請など) - 僧侶へのお布施:
3万~10万円
合計すると、一般的に20万~100万円程度の費用がかかることが多いです。
しかし、工夫次第で費用を抑えることが可能です。
2.墓じまいの費用を抑えるためのポイント
墓じまいの費用をできるだけ安く抑えるためには、以下の点に注意しましょう。
① 複数の石材店から見積もりを取る
石材店によって価格が大きく異なるため、最低でも2社以上から見積もりを取りましょう。
また、地元の石材店と全国展開している業者では費用体系が異なるため、比較することが重要です。
② 墓石の処分方法を工夫する
墓石の撤去・処分費用は高額になることが多いですが、寺院や墓地の管理者に相談し、墓石を供養した後に敷地内で保管してもらうことができる場合があります。また、一部の業者では墓石の再利用サービスを提供していることもあります。
③ 遺骨の引っ越し先を選ぶ
改葬先(遺骨の移転先)によって費用が大きく異なります。以下の選択肢を検討しましょう。
- 永代供養墓(合葬墓):費用相場 3万~30万円(比較的安価)
- 納骨堂:費用相場 10万~50万円
- 新しいお墓を建てる:費用相場 50万~300万円(高額)
費用を抑えるなら、永代供養墓(合葬墓)を選ぶのが最も経済的です。
将来的な管理費用も不要になるため、長期的な視点でもおすすめです。
ただし、家族の意向も十分に考慮して選択することが大切です。
④ 行政手続きを自分で行う
改葬許可申請や役所での手続きは、業者に依頼すると手数料がかかります。
自分で書類を準備し、手続きを進めることで、数百円から数千円程度の費用を節約できます。
⑤ 僧侶へのお布施の相場を確認する
墓じまいの際に僧侶に読経を依頼する場合、お布施の金額は事前に確認しておきましょう。
相場は3万~10万円(送迎代やお車代含む)程度です。
また、「お布施はお気持ちで」と言われた場合でも、事前に相場を調べておくと安心です。
3.墓じまいの助成金や補助金について
助成金が受けられるかどうかは、各自治体の公式サイト等で確認しましょう。
「〇〇市 墓じまい 助成金」などで検索すると情報が見つかることがあります。
自治体によっては、墓じまいに対する助成金や補助金を提供している場合があります。
例えば、過疎化が進む地域では、無縁墓の整理を促進するための補助制度があることもございます。
補助金の有無や金額は地域によって異なるため、まずはお墓のある地域の自治体に問い合わせてみましょう。
補助金が利用できれば、大幅な費用削減につながる可能性があります。
4.費用を抑える際の注意点
費用を安く抑えることは大切ですが、以下の点に注意しましょう。
① 無許可業者には依頼しない
極端に安い価格を提示する業者の中には、無許可で作業を行うケースがあります。
適正な許可を持つ石材店に依頼することが重要です。市が管理している墓地では、墓石の工事を行う業者を登録業者のみに指定している場合があるので注意が必要です。
② 契約内容をしっかり確認する
追加費用が発生しないか、契約前にしっかり確認しましょう。例えば、「基本料金に墓石の処分費が含まれていない」「追加作業費用が別途発生する」などのケースもあります。
③ お寺とのトラブルを避ける
墓じまいを進める際、菩提寺(先祖代々のお寺)との関係にも配慮が必要です。
なかには高額な離檀料(檀家関係を解除するために必要なお布施)を求められたケースも聞くことがあります。勝手に墓じまいを進めると、トラブルになることがありますので、事前にしっかり相談することが大切です。
5.まとめ
墓じまいの費用は、平均して20万~100万円程度かかりますが、複数の石材店で見積もりを取る・墓石の処分方法を工夫する・行政手続きを自分で行うなどの工夫で費用を抑えることが可能です。
また、自治体の助成金制度を活用するのも一つの方法です。
ただし、無許可業者に依頼しない、契約内容をしっかり確認する、菩提寺と円満に話し合うといった点にも注意しましょう。
最も重要なのは、故人への敬意を忘れずに、家族で十分に話し合いながら進めることです。
費用を抑えつつ、安心して墓じまいを進めるために、ぜひ本記事のポイントを参考にしてください。
また、信頼のおける菩提寺(先祖代々のお寺)に、墓石業者を紹介していただくのもおすすめです。