土葬とは?歴史と現状、火葬との違いを解説


業界経験この道30年の石職人です。今回は「土葬とは?歴史と現状、火葬との違いを解説」について簡単にご説明します。
土葬(読み方:どそう)とは、ご遺体を土中に埋葬する葬儀法です。
日本では現在、火葬(読み方:かそう)が一般的ですが、歴史的には土葬が主流でした。
現在の日本における状況、火葬との違いについて解説します。
1.土葬とは? 基本的な意味と特徴
土葬とは、ご遺体を棺に納め、墓地の土中に埋葬する方法です。
世界的に見て、多くの宗教や文化で行われてきた伝統的な埋葬方法の一つです。
ユダヤ教やキリスト教、イスラム教では、今でも土葬が一般的とされています。
2.日本における土葬の歴史と変遷
日本では、仏教が広まる以前の縄文時代や弥生時代には土葬が行われていました。
奈良時代以降、仏教の影響で火葬が増えましたが、江戸時代には再び土葬が主流になりました。
明治時代になると、衛生面の理由から火葬が推奨され、現在ではほとんどの自治体で火葬が義務化されています。
3.土葬のメリット・デメリット
メリット
- 宗教的な理由で土葬を希望する人に適している
- ご遺体を自然に還すことができる
- 火葬に比べてエネルギー消費が少ない
デメリット
- 衛生面での課題がある(感染症リスクなど)
- 埋葬スペースが必要で土地の確保が難しい
- 土葬を認めている自治体が少ない
4.現在の日本で土葬はできるのか?
日本には火葬を義務づける法律はありません。
ただし、自治体は環境衛生などの理由から条例で土葬を制限している場合があります。
現在の日本では、一部の自治体で火葬が義務化されていますが、また、一部の地域では土葬が認められている墓地も存在します。
例えば、特定の宗教法人が管理する墓地や、法律上の特例として許可されている場合に限り、土葬が可能です。
尚、土葬を希望する場合は事前に自治体に確認が必要です。
5.土葬と火葬の違いとは?
項目 | 土葬 | 火葬 |
方法 | ご遺体を埋葬する | ご遺体を焼骨にする |
必要な設備 | 広い埋葬地 | 火葬場 |
環境への影響 | 土地の使用が必要 | CO₂排出の可能性あり |
宗教の影響 | キリスト教・イスラム教などで推奨 | 仏教や日本の風習にぴったり |
6.まとめ:土葬の現状と今後の展望
土葬は、日本の歴史においても重要な葬送方法でしたが、現在では火葬が主流になっています。
近年、欧米では、ご遺体を火葬せず微生物の働きによって分解し土にする葬儀方法「ヒューマンコンポスティング」が注目されています。堆肥葬や有機還元葬とも呼ばれている葬法です。
世界全体でみれば火葬で排出される二酸化炭素(CO²)に問題意識を持ち、このバイオテクノロジーを葬法に生かそうという取り組みは世界各地で始まっているとのことです。
今後、より多様性のある葬送の選択肢が求められる中で、土に返す新たな葬送に注目が集まるかもしれませんし、土葬の可能性がどのように変化するのか注目されます。