お墓の目地とは?補修やコーキングの方法・費用について解説


業界経験この道30年の石職人です。今回は「お墓の目地とは?補修やコーキングの方法・費用について解説」について簡単に説明します。
お墓の目地(読み方:めじ)とは、石と石の継ぎ目を埋める部分のことを指します。
時間の経過とともに劣化し、ひび割れや剥がれが生じることがあります。
目地の劣化を放置すると、お墓の耐久性が低下し、内部への水の浸入や石材のズレの原因になることもあります。
この記事では、お墓の目地の役割や補修方法、コーキングの必要性、そして費用の相場について解説します。
目次
1.お墓の目地とは?その役割と重要性

お墓の目地とは、石材同士の隙間を埋める部分のことを指します。
一般的には、モルタルやコーキングが使用され、水や埃の浸入を防ぐ役割を果たします。
目地は次のような重要な役割を担っています。
- 防水性の確保:
雨水が石の隙間から浸入するのを防ぐ。 - 耐震性の向上:
お墓の構造を安定させ、地震によるズレを防止。 - 見た目の美しさ:
目地が整っていることでお墓全体がきれいに見える。
2.目地が劣化するとどうなる?
目地は風雨や温度変化の影響を受け、時間の経過とともに劣化します。
目地が劣化すると、以下のような問題が発生します。
- ひび割れや剥がれ:
モルタルが崩れたり、コーキングが剥がれ、隙間が生じる。 - 内部への水の浸入:
雨水が入り込み、墓石の内部にカビやコケが発生することも。 - 石材のズレや破損:
耐震性が低下し、墓石が傾くリスクが高まる。
こうした状態を放置すると、墓石自体の修繕が必要になり、修理費用が高額になる可能性があります。
3.墓の目地補修の方法
目地の補修にはいくつかの方法があります。
使用する補修材によって、仕上がりの見栄えも異なるため、墓石の石種や加工具合も考慮しなければなりません。
状況に応じて適切な補修方法を選びましょう。
(1) モルタルで補修
モルタルとは、セメントに砂と水を混ぜ合わせたものです。
強度が高く、耐久性が求められる箇所に適しています。
古くから取り入れられている施工方法ですが、近年では、墓石の目地はコーキングで仕上げるのが一般的です。
しかし、古いお墓は、建てた当時はモルタル仕上げで施工を行っているため、同じ素材での修復を求める方もいらっしゃいます。
(2) コーキングで補修
弾性のあるシリコン系コーキングを使用する方法。
古い目地を取り除き、新しいコーキングを充填する方法です。
柔軟性があり、地震の揺れにも対応できるため、近年では主流の補修方法となっています。
4.目地のコーキング補修とは?


コーキングとは、弾性のあるシーリング材を使って目地を埋める作業のことです。
特に耐震性や防水性を重視する場合に適しています。
コーキングのメリット
- 弾力性があるため、ひび割れしにくい
- 密着性が高く、水の浸入を防げる
- 施工が比較的簡単で、DIYでも可能
目地には通常、墓石の色に合わせたコーキング材が使用されます。
例えば、黒御影石の墓石であれば、黒やグレー色のコーキング材が選ばれることが多いです。
墓石に使用するコーキングは、ホームセンターなど一般的には販売していない、石材店用のコーキングがあります。
プロも使用している墓石専用のコーキングを使用することで、耐久性や確かな仕上りが期待できます。
5.目地補修・コーキングの費用相場
お墓の目地補修のコーキング仕上げの費用は、施工内容や業者によって異なります。
一般的な相場は以下の通りです。
- 部分補修(ひび割れ補修):5,000円~20,000円
- 全面補修(モルタル・コーキング):30,000円~150,000円
また、お墓の立地や石材の種類、墓石の面積によっても価格が変動するため、複数の業者に見積もりを依頼するのが良いでしょう。
6.お墓の目地補修を依頼する際のポイント
業者に依頼する際は、以下の点に注意しましょう。
- 実績のある石材店を選ぶ:
施工実績が豊富な業者なら安心。 - 事前に見積もりを取る:
費用や施工内容をしっかり確認する。 - アフターサービスの有無:
施工後の保証があるかチェック。
また、早めの対応が大切なので、目地の劣化に気づいたら早めに補修を検討しましょう。
7.まとめ
お墓の目地は、耐久性や見た目を維持するうえで重要な役割を果たします。
目地が劣化すると、水や埃の浸入や石材のズレが発生しやすくなるため、適切なタイミングで補修を行うことが大切です。
目地の劣化を放置すると、石と石の隙間から細かい砂利などが入り込みます。
また、石材がズレたところに入り込むことで、石材を容易に動かすことができなくなり、修復するのに大掛かりになることがあります。
補修にはモルタルやコーキングを用いる方法があり、費用相場も幅広いので、信頼できる業者に相談するのが良いでしょう。