永代供養とは?永代供養と現代のお墓事情、墓じまいの選択肢


業界経験この道30年の石職人です。今回は「永代供養とは?永代供養と現代のお墓事情、墓じまいの選択肢」について簡単に説明します。
近年、少子高齢化や核家族化の進展により、お墓の継承が難しくなってきています。
そのため、ご寺院に永代供養(読み方:えいたいくよう)をお願いし、合葬墓といった新しい形式のお墓に納骨するというスタイルが注目されています。
本記事では、永代供養の基本的な意味や合葬墓との関係、さらには墓じまいの選択肢について解説します。
お墓の将来に不安を感じている方や、墓じまいを考えている方はぜひ参考にしてください。
1.永代供養とは?

永代供養とは、寺院や霊園が故人の供養を長期間にわたり管理し続ける供養の形式です。
通常のお墓では、家族が供養や管理を行いますが、永代供養では管理者が定期的に供養を行うため、お墓の継承者がいない場合でも安心です。
永代供養の特徴
- 家族に代わり、寺院や霊園が供養を続ける
- 合葬(他の方と一緒に埋葬)されることが多い
- 個別の墓石を必要としない
このような特徴から、近年、特に高齢者や子供のいない世帯の方々に支持されています。
また、高齢者の中には、子供に迷惑をかけたくないといったことで永代供養墓(合葬墓)を申込される方も増えています。
2.永代供養と合葬墓の違い
永代供養と混同されやすいのが合葬墓です。
永代供養は供養の形式を指し、合葬墓は埋葬方法の一つです。
- 永代供養:遺族の代わりに寺院や霊園が供養を行うこと。
- 合葬墓:複数の遺骨を一つの墓にまとめて埋葬する方法。
合葬墓の特徴
- 多くの人と共に埋葬される
- 個別の墓石を持たないため、費用が抑えられる
- 一度埋葬すると遺骨を取り出せない場合が多い
永代供養を選ぶ際には、合葬墓になるのか、個別に安置されるのかを確認しておくことが大切です。
3.永代供養を選ぶメリット・デメリット
メリット
- お墓の管理が不要:
寺院や霊園が供養・清掃をしてくれるため、負担が軽減される - 費用が抑えられる:
一般的な墓石を建てるよりもコストが低い - 無縁仏にならない:
供養が続くため、無縁仏になる心配がない
デメリット
- 遺族がゆっくり供養しにくい:
個別の墓石でない場合、他のお参りの方もいる場合があるのでゆっくりできない - 遺骨を取り出せない可能性:
合葬墓の場合、一度納めると遺骨を取り出せないことがある
4.墓じまいと永代供養の関係

墓じまいとは、現在のお墓を撤去し、ご遺骨を新たな供養先に移すことです。
墓じまいを行った後の選択肢として、永代供養が注目されています。
墓じまいをして永代供養を選ぶ流れ
- 現在のお墓の状況を確認:
墓地の管理者と相談し、墓じまいの手続きを確認する - 遺骨の行き先を決める:
永代供養をおこなう寺院にある合葬墓を選択する - 閉眼供養を行う:
僧侶に依頼して現在のお墓を閉じる供養を実施 - 墓石の撤去と遺骨の移動
永代供養をおこなう寺院にある合葬墓へ納骨
この流れをしっかり理解し、スムーズに墓じまいを進めましょう。
5.永代供養の費用相場と選び方
永代供養の費用は、寺院や霊園によって異なります。
納骨の費用相場は下記の通りです。
納骨の種類 | 費用相場 |
---|---|
合葬墓 | 5万~40万円 |
個別納骨堂 | 10万~50万円 |
樹木葬 | 20万~50万円 |
選び方のポイント
- 納骨の方法を確認する(合葬墓か個別納骨か)
- 施設の管理体制を見る(定期的な供養が行われるか)
- アクセスの良さ(お参りしやすい立地か)
6.まとめ
永代供養は、お墓を継承できない人や、管理の負担を減らしたい人にとって有力な選択肢です。
特に、墓じまい後の新たな供養先としても注目されています。
納骨後の費用や管理体制などをしっかり確認した上で選ぶことが重要です。
お墓の問題で悩んでいる方は、一度専門家に相談するのも良いでしょう。
【関連記事】
- 墓じまいの流れと注意点|スムーズに進むためのポイント
- 「墓じまい」しないとどうなる?放置のリスクと適切な対処法
- 「墓じまい」家族にとっての最適な選択とは?
- 墓じまいの費用を安く抑えるには?費用を抑えるための5つポイントと注意点
- お墓の「追加彫り」費用はどれくらい?内容別の相場と費用を抑えるポイント